医学生へのキャリア教育

久留米大学医学部医学科では、現在の2年生から新カリキュラムです。

 

12月14日から、新カリキュラムの“メディカルアーツ”において、男女共同参画関連のlecture(全5コマ)が始まりました。

このlectureは、当委員会の医学教育チーム(チームK:岡松由記委員・松尾規和委員・守屋普久子副委員長)が中心となって策定しているものです。

 

第1回のlecturerは、家庭医として、またWONCAアジア太平洋地区 ラジャクマール運動代表として活躍中の吉田伸先生が登壇されました。

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吉田先生の講義では、学生が主体的に参加するワークが準備されていました。

ワークのテーマは、「日本の医療制度を英語で説明できる」です。

場面設定は、ホームステイしている外国人医学生から、”What is the Japanese Healthcare System like ?”と質問されましたが、あなたは、どう説明しますか?というもの。

海外の医療システムと日本の医療システムとの違いを認識することは、将来医師となって働く時、また学会や留学で海外の方と話す時に、必ず必要な知識です。

このワークでは、教室のあちこちで英語が飛び交い、各自が真剣に取り組んでいる様子が伝わってきました。

 

吉田伸先生のtake home message:

「多様性を楽しんで!! チャレンジしよう!」

 

第2回講師(平成28年12月15日)

田中  眞紀 先生:JCHO久留米総合病院院長 

 

講義テーマ:プロッフェショナリズム

 

最初は下を向いていた学生さんたちの顔が、徐々に田中先生の方へ向けられていく様子が、とても印象的でした。

 

田中眞紀先生のtake home message

 患者さんは女性医師が担当になると喜ばれる。女性患者なら、なおさら

 医師になろうと思って医学部に入学してきたのだから、女性も男性も、医師としての人生を全うして欲しい

 女性も男性も、自身の特徴を生かして、地道に努力を重ねて

 評価を受けるとともに、必要とされる自信を持つ

 チャンスは転がっている!

 

第3回(平成28年12月20日)

吉田 典子 先生:久留米大学健康・スポーツ科学センター 教授、久留米大学病院産業医

 

吉田典子先生のテーマは、「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を考える」です。

「ワークライフバランス(以下WLBと略す)って何?」の問いかけから講義が始まりました。

一般社会でのWLBの定義やWLBが実現した社会はどんないいことがあるのか?などの現状呈示に加えて、勤務医の労働環境の厳しい現状とその改善策、医師が元気に働くための7か条などが話されました。

 

吉田典子先生のtake home message

 超高齢社会において優秀な人材確保と労働力不足を補うために、少しでも働ける人は全員働こう!

 働ける人が働ける環境整備も大切です!

 

第4回(平成28年12月20日)

武谷 茂 先生:小児科医

武谷先生には、「医師としての人生」を語って頂きました。

 

 プロフェッショナルとしての医師という職業は、とても大変だけど、必ず寝食を忘れてでも研究・教育・診療に没頭する時がある。そんな時は、将来の自分にとって大切な何かを感じている時だーと、熱いメッセージが送られました。

 

 武谷茂先生のtake home message

 チャンスは自らつかむ。他人は与えてくれない

 何か失敗することがあっても、周囲の人たちの応援や自分自身の工夫で克服しよう。それがプロである。

 燃え尽きないためにー厳しいトレーニングがあることを自覚しておこう

 

 多様な価値観を受容できるように

 女性医師は、「(出産後も)戻ってきて欲しい」と言われるように

 

第5回(平成28年12月20日)

 深水 亜子 先生:久留米大学病院内科学講座心臓血管内科部門 医局長

 

講義テーマ:ジェンダー

 

深水亜子先生は、卒後4年目に結婚、5年目に長男の出産を機に、一度離職されました。その後夫の留学のために、2年間オーストラリアのメルボルンで主婦生活。帰国後、再度当時の第3内科(現:心臓血管内科部門)の扉をたたかれ、病棟医の仕事を一からやり直された経歴をお持ちです。

 

 深水先生は、日本ではreproductive healthの情報不足で、40歳を超えると卵子が老化し、妊娠しにくくなることを知らない人が多いことや子供を持つことや家庭を形成し、維持していくことが、医師として、人間としての成長につながること、また医師免許を生かせる職業は多彩であること、などを話されました。

 

深水亜子先生のtake home message

 医師としての+αを持ちましょう!

 

 

皆さんが大切に思う人間関係は何ですか?の問いには、家族や友人の項目で、多くの学生さんの手が挙がりました。和やかな授業風景でした。

 

 

 

 

 

〇学生交流会「先輩医師と話そう」

平成24年度より、福岡県医師会主催で、毎年開いています。この会は、医学生や研修医が、ロールモデルである先輩医師の話を聞くことで、医師として働く自身のキャリアについて考える会です。ロールモデルには、男性医師と女性医師、それぞれ1名ずつお越しいただき、女性医師には仕事と家庭の両立や女性医師が働き続ける意義について、また男性医師には、働く女性医師をサポートするご自身の体験や感想について、お話をしていただきます。先輩医師から、医療についての話を聞く機会は十分にありますが、家庭での様子についての話を聞く機会はないので、参加された学生や研修医には大変好評です。
「第2回先輩医師と話そう」 詳しくはこちら…

「第3回先輩医師と話そう」  詳しくはこちら…

「第3回先輩医師と話そう」は、西日本新聞の取材を受け、後日、筑後版に企画記事として掲載されました。
            詳しくはこちら(PDF)…

「第4回先輩医師と話そう」  詳しくはこちら…

 

「第5回先輩医師と話そう」

 平成28年10月4日に行いました。詳細は、キャリア情報をご覧ください。学生交流会「第5回先輩医師と話そう」チラシ(PDF)

 

〇医療科学での講義  詳しくはこちら…

 

〇第5学年へのキャリア教育

医学科第5学年(クリニカルクラークシップ)を対象に、平成26年4月からキャリア教育のグループ講義を行っています。医師の労働環境の問題や男女共同参画の現状、将来の医師像などをテーマに取り上げ、講義を聞くだけでなく、学生自身が自分の意見を出し合うことを重視しています。ワークライフバランスやキャリア形成については、女子学生だけでなく男子学生も真剣に考えていることがわかります。

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医学科第5学年でのグループ講義の様子